日本のコミュニケーション文化
コミュニケーションとは「気持ち・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えること」と定義されています。
コミュニケーションで人と人を繋げ、分かり合えるコミュニテイーを作ります。
しかし、言葉で伝えても意味を通じないケースが多いのではないでしょうか。特に国籍が違う場合、相手国の文化への理解が足りないため、うまくコミュニケーションが取れない場合が多いですね。
外国人とのコミュニケーションを取る時には、相手国の文化を理解できないと、望ましいコミュニケーションを行うのはなかなか難しいのが現実です。
では、日本のコミュニケーション文化を分析し、文化理解の必要性を解説しましょう。
日本人は曖昧な表現いわゆる間接的な表現を好みます。
自分の意見をはっきりする外国人に対して、日本人は曖昧な表現、遠まわしいの言い方をよく使うのが特徴です。日本語には「空気を読む」という言葉があり、聞き手に言葉以外の意味を察する能力を求めることを示します。
日本は人への気遣いを大切にする国です。日本人同士では人間関係を円滑にするために、または相手の気分を害しないようまず相手の気持ちを考え、適切な表現や行動をとるよう常に意識しています。言い換えると、日本は調和を大事にする国です。
ただし、その婉曲的な話し方は日本を訪れるのが初めての外国人にとって理解しづらい時も少なくないです。
たとえば、次の会話を見てみましょう。
「日本人A: Bさん、この間、あれなんですね。大変でしたね。
外国人B: あれって。どういうことでしょうか。
日本人A: 先週Bさんの奥さんが。
外国人B: ああ。事故のことですね。今はもう大丈夫です。ご心配かけてすみませんでした。」
上の会話を見ると、初めて「あれ」を聞くと、何の話なのかすぐ分からない外国人Bさんのような状況は、日本人同士の会話にはよくあります。
また、日本人Aさんの間接的な表現には、Bさんの気持ちを考え、大変な経験に遭ったことを直接言わないという気遣いがあります。
ちなみに、外国人、特に欧米人のコミュニケーションは自己主張が強いため、自分の意見をはっきり言って、伝えたいことがすぐに相手に伝わる特徴があります。
日本のコミュニケーション文化は非常に人の気持ちを大切にするのが特色ですが、相手が外国人の場合、もっと詳しい話を提供する工夫も望ましいですね。
日本は謙遜を大事にする国です。
日本も含めて、アジアの国は上下関係を重視する特徴があるため、コミュニケーションにも影響を与えているようです。日本では謙遜することが美徳とされています。
次は日本人同士の会話の例を見てみましょう。
「A:今日のお洋服、お綺麗ですね。
B:いえ。そんなことないですよ。」
など、褒められたら、まずは謙遜する表現を使います。
こういうやり取りは、日本人同士なら普通ですが、海外でやってしまうと、相手から違和感を持たれる、または、自分には自信がない人間だと思われがちです。
ここで伝えたいのは、国と国の文化や習慣を差別するのではなく、それを理解し、受け止めることが重要ということです。
「郷に 入っては、 郷に 従え」という言葉があって、その土地やその環境に入ったならば、そこでの習慣ややり方に従うのが賢い生き方であるという意味です。
ぜひ、相手国に行く時は、その土地の文化に触れ、現地の人との豊かなつながりを目指しましょう。こうして、スムーズなコミュニケーションを行うことができます。
人と円滑に話すためには相手に合わせたコミュニケーションスキルやマインドを身に付けることも大事ですので、普段から少し意識してみるといいでしょう。