大阪の岸和田だんじり祭り

秋晴れの下で行われた岸和田だんじり祭 10月祭礼 | 大阪の魅力を発信!OSAKA PHOTOS

日本では一年を通してたくさんの多彩なお祭りが行われています。よく知られているのは日本三大祭りである「東京の神田祭」、「京都の祇園祭」と「大阪の天神祭」ですが、他にも毎年各地域で行われるたくさんのお祭りがあり、地元の人と外国人の交流の機会になります。

本記事では毎年この時期に行われる大阪の「岸和田だんじり」をご紹介します。

 

岸和田だんじり祭りの歴史は300年以上前!?

約300年の歴史と伝統を誇る「岸和田だんじり祭」は1703年に当時の岸和田藩主岡部長泰(おかべながやす)公が京都伏見稲荷を城内三の丸に勧請し、米や麦、豆、あわやひえなどの5つの穀物がたくさん取れるように(五穀豊穣)祈願した「稲荷祭り」が始まりと伝えられています。この歴史的なお祭りは現在地元の人々の毎年欠かせない行事として、期待されるものになりました。

まず、そもそも「だんじり」とは何か疑問を抱く人がいるかもしれません。「だんじり」とは、西日本特有の呼称であり、日本の祭礼に奉納される山車(だし)を指す言葉です。

岸和田だんじり祭りでは、だんじりを持つすべての町は、子どもからお年寄りまで各年齢層ごとに役割が決められ、それぞれその役割を分担し、だんじり祭が運営されます。

では、岸和田だんじり祭りについて詳しく見ていきましょう。

祭当日の曳行

まず、祭当日の曳行(えいこう)時の役割について知りましょう。

1.鳴り物(なりもの)
大太鼓、小太鼓、笛、鉦(かね)を担当する青年団です。

2.綱先(つなさき)・綱中(つななか)
だんじり曳行の主動力です。

3.綱元(つなもと)

「やりまわし」の時に綱中の力をだんじりに伝える重要な役割を果たします。

※「やりまわし」は後で説明します。

4.前梃子(まえてこ)

「やりまわし」の時、内側の前梃子は旋回(せんかい)のきっかけをつくり、内側のコマの回転を抑え、だんじりを曲がりやすくします。それは非常に危険な役のため、かなりの熟練を要します。

5.大工方(だいくがた)
だんじりの大屋根や小屋根に乗り、団扇を手に華麗に舞う人です。また、だんじりの前方が見えない後梃子(うしろてこ)に進行方向を指示する役割もあります。

6.後梃子(うしろてこ)

大工方の合図により左右にくくり付けられた綱を引いたり、肩で押すなどし、だんじりの向きを変える部分です。20人から30人で担当します。

 

祭の見どころ!!!

岸和田だんじり祭の時期になると、鉢巻き、腹巻・胸当て、パッチ、地下足袋(じかたび)をする人、また各町の法被 (はっぴ) 姿でだんじりを引き、「そーりゃ、そーりゃ」と威勢の良い掛け声が街中に響き渡ります。この時期が来ると、祭を待つ人々は待っていましたとばかり、心をワクワクさせるのです。

やりまわし

岸和田だんじり祭2019】穴場スポット・屋台・交通規制まとめ

山車、屋台を華とする全国各地の祭礼においては、その山車、屋台が曲がり角で方向転換するさまは大きな見所となります。「岸和田だんじり祭」も同じく、4トン以上もあるとされる「だんじり」を勢いよく走りながら直角に向きをかえるのが一番の見どころです。それは「やりまわし」と言います。言葉では簡単ですが、重さ4トンを超えるだんじりを走りながら操作するのは容易ではありません。なので、試験曳き(しけんびき)が必要です。試験引きとは、祭り本番前に、テスト曳きをすることです。通常9月初めの日曜日と祭前日の2回やります。

「やりまわし」の他、見逃してはならないのは、「大工方」、「彫物」、灯入れ曳行などです。

 

大工方(だいくがた)

第4回:《大工方》| 関西だんじり応援団

だんじりの大屋根や小屋根に乗って進行の指揮をとったりするのが「大工方」です。スピードある曳行中も、高さ3m以上あるだんじりの上で舞う姿は「祭りの華」と言えます。大工方が跳び上がって体の向きを変えたり、両手を広げ、片足で立つ飛行機乗りなどは、必見のシーンですね!

だんじりの彫物

これぞ「走る芸術品」 堺で国産彫り物100%だんじり:朝日新聞デジタル

岸和田のだんじりと聞いて、まず思い浮かべるのは街中を豪快に走る姿でしょう。しかし、だんじりの至るところにほどこされている彫物の素晴らしさも決して見逃すことはできません。

欅(けやき)の木目を活かした仕上がりで、彫り物の種類は人物、馬、霊獣、そして花鳥ものから唐草(からくさ)などの模様に至るまで実に様々なものがあります。また、戦記や神話物語の名場面の彫刻も実に見事で美しく、まるで「走る芸術品」のようです。

 

灯入れ曳行(ひいれ えいこう)

祭の2日間、午後7時から10時までの間、約200個の提灯で飾られただんじりは、昼間のだんじりの「動」に対し、雅やかな「静」を演出します。ゆらゆらとした灯かりがとても華麗に見え、昼間とまったく違った雰囲気を味わえるのが夜間曳行の特徴です。

岸和田だんじり祭り 灯入れ曳行 全景 | 行事 > 祭り | GANREF

 

現在の岸和田祭りは五穀豊穣を祈願するだけでなく、町の人々の団結力を高める祭りになったと言えるでしょう。街角を回る危険な「やりまわし」、そして後梃子(うしろてこ)に合図を送る大工方、それぞれのタイミングを合わせるのが非常に難しいです。速くて、正確に「やりまわし」を行うには、各団体の息が合うことが重要となります。そのため、町ごとの仲間意識が非常に高く強いのも岸和田だんじり祭の大きな特徴です。

 

岸和田だんじり祭りはいつ?どこで?

大阪の岸和田市で開催される「岸和田だんじり祭り」は、主に2つの地区に分かれています。1つは「岸和田地区」、もう1つが「春木地区」です。より賑わうのが「岸和田地区」なので、他の地域の日本人と外国人にとっては「岸和田地区」で行われるお祭りの方が馴染みかもしれません。しかし、少しゆったりと観覧をしたい場合は「春木地区」の方が良いかもしれません。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、75年ぶりにだんじり曳行が中止となりましたが、2021年は実施する予定です。参加者へのPCR検査実施、市外からの観客の見物自粛の呼びかけ等「様々な対策を講じた上で開催予定」と発表されました。 日程は、2021年9月18日(土)、19日(日)の予定です。

みなさん、まだコロナ感染が収まっておらず、外出はまだ危ないので、今回の「岸和田だんじり祭り」は過去のビデオで雰囲気を体験し、大阪の文化を味わいませんか。(https://www.youtube.com/watch?v=KNqj8DfI1Mo)

 

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