日本の贈答文化

 贈答文化とは、何か贈り物をもらう時にお返しをする日本の風習です。

贈答は、日本の農耕社会から生まれ、「収穫したものを分け合う」双方向の関係を築き、“共にいただく”という気持ちや精神を大事にする文化です。日本人の贈り物をする頻度は海外より多いかもしれません。また、頻度が多いだけでなく、贈答のマナーが厳しく、暗黙のルールも多いため、日本の生活や文化に慣れていない外国人のみなさんにとっては「ややこしい」習慣になってしまうと思いませんか。

本日は日本の贈答文化とその特徴を学びましょう。日本人と豊かな人間関係を築くきっかけになりますよ。

 

 

食べ物がギフトの定番

皆さんは、日本人との交流の時、たくさんのお菓子をもらったことがありますか。

実は外国人だけでなく、日本人同士でもよく食べ物をギフトとして贈り合います。

上記にも紹介しましたが、それが農耕社会の「収穫したものを分け合う」ことからなる習慣です。

また、食べ物は受け取る人に余計な気を遭わせない「消えもの」だと言われます。「消えるもの」は、使うと消えてなくなるものを指します。後に残ってしまうものは、受け取る人が処分に困ったりするので、消えて無くなる食べ物みたいな贈り物が良いとされているそうです。

また、日本には美味しいお菓子を作るメーカーが多くて、日本人にも、外国人にも大人気！

さあ、もし何のプレゼントをするか迷っていたら、お菓子など食べ物にしたらいいでしょう。

 

贈り物の包装にこだわる！

中身の品だけでなく、ラッピングそれ自体が「贈り物」とされています。包装紙や包み方の細部までこだわり、相手にその完璧さを届けます。また、プレゼントをもらったときにはギフトをくれた相手がいる前でついているセロハンテープをきれいに剥がせば、相手にもより好感を与えるでしょう。

他には日本の贈答文化と言えば、なくてはならない包装の方法は風呂敷（ふろしき）です。

エコを考えた風呂敷はなんと「幸せを包む」「お付き合いを広げる」といった深い意味があります。このような意味が分かると、プレゼントをより大切にしようと思いますよね。　今度日本人に贈り物をするときは、心を込めて美しい風呂敷を準備し、包み方にもこだわりましょう。

 

中身の価値より渡し方とマナー！！！

上司、顧客などの偉い人物、または友達や家族などの親しい関係によって贈り物の値段が変わります。しかし、それより渡し方に、人の心が表れます。

「つまらないものですが…」

 

日本人は、贈り物を渡す時、値段が高くてもよく「つまらないものですが〜」を付け加えます。それは「私はあなたにいいものをあげる」よりも、多少謙遜して渡す日本の文化です。それは、「相手の負担を軽くする」、「相手のお返し・お礼」をしようと言った気持ちを和らげるためという説があります。

贈り物を両手でもらい、謹んだ気持ちを表しましょう。また、もらった瞬間にすぐ開けるのではなく、相手に「開けていいですか」と確認するのが望ましいです。プレゼントをあげた人のために、その場で開けてリアクションを見せた方が好印象だという意見もありますが、反対に恥ずかしい人もいます。ですから、逆効果にならないように相手の性格やその場の状況を確認した方がいいでしょう。

 

お返しは絶対する！！

日本では何か贈り物をされた時、返礼としてその人に贈り返すのが一般的です。相手は「つまらないものです」と言っても、お返しをするのが暗黙のルールです。それもお互いの今後の関係を豊かにする方法の一つです。日本文化に慣れていない外国人にとっては「めんどくさいルール」と考えてしまうかもしれませんが、日本人との長い付き合いを保つには「郷に入っては郷に従え」ですね。

 

日本人がよく贈り物をする大きなタイミングは半年間の感謝を表す7月のお中元と1年の最後の挨拶を表す12月のお歳暮です。他には旅行から持ってきたお土産、知人の家を訪問する時に贈る手土産、お正月のお年玉、出産祝い、七五三、入学祝、卒業祝、成人式、結婚、入学試験の合格祝などあります。また、欧米からのクリスマス、バレンタイデーなどもお世話になった人に贈り物をするチャンスです。

今年、あなたは誰にどんな「贈り物」をしますか。